ある日、地元にある企業の工場長さんから電話がありました。ざっくり言えばピアノ用の消音ボードを開発するという内容なのですが、お話しに惹かれてモニターを勤めさせていただくことに。教室で打ち合わせを重ねてから1ヶ月後には試作品が完成して現場実験という運びになりましたが、スタッフさんお二人の力を借りて搬入した重厚な試作品には見るからに職人の魂を感じます。教授の戦メリをリファレンスに2つの試作品フォボスとダイモスを試しましたがその結果は想像の遥か上。高い消音能力は勿論ですが音がよくなったというのが予想外の展開でした。音の良し悪しを表現するのは難しいのですが何度試しても同じ結果でしたので現在はフォボスを設置しています。

皆さん気付きましたか?設置後は「弦張り替えました?調律の仕方変えました?」そんな声も届くほどの変化がありますのでレッスン時にちょこっと気にしてもらえると面白いかもしれません。こういうのってプロジェクト名とかあるのかと思い伺ってみたのですが「そういうのないですよ」とのことでしたので勝手に火星の衛星から借りてみたりして。実験当日の気分を盛り上げるためのヘルメットも快くかぶってくれる気さくな工場長ネモさんにはいろいろ教わりました。制作に携わったチームの皆様にはとてもよい経験をさせていただきましたので今後もフィードバックしていきたいと思います。2人でピアノを移動するのは重労働でしたがその後の腰が心配でなりません。